2022年8月26日、米国のジャクソンホールで2022年世界中央銀行総裁年次総会が開催され、パウエルFRB議長がタカ派的な演説を行った。 講演の内容は、大きく分けて3つある。 まず、現在の主要な矛盾は依然としてインフレであること、すなわち過度の金融引き締めのリスクがある一方で、現在の主要な矛盾は依然として不十分な金融引き締めのリスクであることを旗印に掲げた。 第二に、FRBがインフレを厳しくコントロールする論理が示されている。 すなわち、現在のインフレの原因は供給要因によるものであり、金融政策は需要サイドの政策である。 インフレを抑えるためには、需要と供給のバランスをとる必要があり、金利を上げる金融政策は、需要を需要サイドから収縮させてインフレを抑えることになるが、インフレを抑えるためには、金利コストの上昇、潜在経済成長率の低下、労働雇用市場の弱さといったコストを家計と企業に負担してもらわなければならない。 現在のインフレ水準は中立的なインフレ目標である2%を大きく上回っており、雇用市場における労働供給も極めて逼迫しているため、金利の引き上げを止めることはできず、十分な引き上げが必要です。 第三に,1970 年代と 1980 年代のFRB の政策実践の経験から,インフレ管理に関する三つの教訓,すなわち,インフレを2%の目標で安定させることができるというFRBの自信を市場に伝えること,「アンカー」としてのインフレ期待の役割を強調すること,そして不十分な政策引締めのリスクを明確にすることが挙げられた。
今回の年次総会でのパウエルの講演内容を組み合わせると、インフレの原因、物価安定の重要性、FRBの責任、今後の政策の方向性という4つの側面から、現在のFRBの政策ロジックを確認することができます。
リスク:FRBの金利が急激に上昇することにより、市場の変動が悪化するリスク。