研究によると、世界のメタン濃度の上昇は熱帯に最も貢献している。

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科学技術日報記者陸成寛

地球温暖化を促す上で、二酸化炭素という「元凶」のほか、メタンも「功は欠かせない」。しかし,大気中のメタン濃度の変化についてはあまり知られていない。

日本の炭素モニタリング衛星のメタン観測データを利用して、中科院大気物理研究所などの研究者は20102019年のメタン排出について深く研究した。彼らは、20102019年の熱帯陸地のメタン排出が世界のメタン濃度の増加に80%以上貢献していることを発見し、海洋表面温度の変化が世界の大気メタンの変化を予測するのに初めて提案した。3月16日、関連研究成果はオンラインで「自然-通信」誌に発表された。

メタンは自然界に広く分布し、天然ガス、メタンガスの主成分である。メタンの排出源は主に人為源と自然源に分けられ、その中で人為源は主に石炭、石油・ガス採掘、農業生産とごみ埋め立てなどを含む。自然源には湿地、内陸淡水、バイオマス燃焼、地質漏れ、凍土などが含まれている。

二酸化炭素を除いて、メタンは地球温暖化をもたらす第2の大人を要因としている。二酸化炭素の大気中の約百年の滞留時間に比べて、メタンの「寿命」はずっと短く、そのライフサイクルは8-11年しかない。

しかしながら、メタンは二酸化炭素よりも大気への影響が大きい温室効果ガスであり、二酸化炭素に比べて同じ質量のメタンによる温暖化強度は二酸化炭素よりはるかに高い。

「20年間のこの時間スケールでは、メタンによる増温強度は二酸化炭素の84倍だった」。論文の著者の一人で中科院大気物理所の劉毅研究員は、二酸化炭素の制御に比べて、メタンの排出削減は短時間で世界の昇温が速すぎることを抑制する目的を実現することができると述べた。

工業革命以来、大気中のメタン濃度は2倍以上増加し、メタンの倍増による温室効果は地球温暖化に約20%貢献した。

熱帯はメタンの主な排出源地であり、そのメタン排出量は世界の排出総量の約60%を占めている。しかし、「熱帯の20102019年のメタン排出は、同時期の世界大気メタン濃度の増加変化に84%の貢献を果たすことが分かった」と述べた。劉毅は強調した。

一方、「既存の観測予報手段をどのように利用して大気メタン濃度の変化を予測するか。この問題は比較的困難であり、現在は研究の弱点である」と述べた。劉毅は指摘した。

日本の炭素モニタリング衛星(GOSAT)メタンカラム濃度反転データと温室効果ガス地上モニタリング網(NOAA/GML)のメタン濃度サイト観測データを用いて、炭素同化モデルと組み合わせて天地一体化の新しい方法を採用し、研究者は初めて、海洋表面温度変化と南米熱帯地域とアフリカ中部のメタン排出変化の間に強い季節相関があることを発見した。

「現在の海温予報は、世界の大気メタンの変化を予測するのに役立つと考えられています。」論文の第一著者で、英国エジンバラ大学地球科学学院の馮量博士は言った。

劉毅氏は、メタンはより強い増温潜在力と比較的短い寿命を持っているため、メタン排出は世界の注目を集め、国際気候交渉の焦点問題の一つとなり、私たちの研究は気候問題の決定に重要な科学的な支持を提供することができると述べた。

メタン排出は中国の温室効果ガス排出削減全体の構造の中で重要な地位を持っているが、「現在、国際的に中国のメタン排出とその変化問題についてまだ合意に達していない。未来の研究チームはマルチプラットフォームの観測データをさらに利用して、より正確な中国のメタン排出評価結果を提供し、中国の「二重炭素」目標の実現に科学と技術サポートを提供する」と述べた。劉毅は言った。

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